Appleなどの有名企業が取り組む『デザイン思考』という手法が注目されています。
時代の変化に対応し、ライフスタイルを変えてしまうような新しい潜在的ニーズを発掘する『デザイン思考』の手法で、世の中が動き始めていますね。
そんな『デザイン思考』について、事例を紹介していきましょう。
iPod誕生とデザイン思考
Appleでは、新しい音楽プレーヤー開発に、技術者の他に心理学者、デザインの専門家、人工工学の専門家などからなるプロジェクトチームを発足させました。
社外の人材も含めた35人のメンバーで構成され、11ヶ月という短期間に、ユーザーの徹底的観察、分析、開発が進められた事例です。
2ヶ月間で100もの試作を繰り返し、「どこでもその場で音楽を選んで聞ける」今までにない製品を生み出したのです。
Wii誕生とデザイン思考
今では多くの家庭で家族団らんの一部になっているほど親しまれているゲーム機Wii。
子どもがゲームに夢中になるとリビングにいる時間が短くなる、親子の関係が思わしくないといった現状調査の結果を受けて、「子どもからお年寄りまで楽しめるゲーム機」というニーズに応えるかたちで開発が進められました。
機能やスペックを重視した商品開発ではなく、ユーザーの満足感や求める意味的価値を追求していったプロセスがうかがえる事例です。
リモコンの試作は1000回以上にも上ったと言います。
LINEとデザイン思考
急成長を遂げているLINEでは、ゲームやアプリが提供されていますが、開発には、ユーザーリサーチルームが活用されています。
複数台のカメラが設置されていて、ユーザーの行動を観察して気付いた、潜在的なニーズをサービス開発に生かしている事例です。
P&Gとデザイン思考
静電気でホコリを吸い付けるモップは今でこそ常識ですが、開発の発端は、「水拭きモップの水滴をなんとかしたい」というユーザーのニーズを実現することでした。
それまでは、水拭きで掃除するのが当たり前でしたが、静電気でホコリをキレイに出来て、汚れた水滴がたれることなく掃除できる「スウィッファー」が開発されたのです。
まとめ
○ 過去の成功体験ではなく、潜在ニーズから解決すべき課題を見つけている
○ 何度も試作を繰り返して、ユーザーファーストの開発をしている
○ 多種多少のバックグラウンドを持つメンバーでチームを構成している
時代の変化がめまぐるしく、ユーザーのニーズが気持ちの満足感や、ストリーなど、『意味的価値』のウェイトが大きくなってきていますから、今後も、デザイン思考の手法でイノベーションを起こすことが求められていきそうですね。