無洗米は、お米を洗わずに炊けるので水の冷たい季節はもちろん、キャンプや災害時の水不足でも便利ですね。
ところが、炊き方や水の量といったポイントを知らないと、硬い炊きあがりになってしまう事が多いのです。
無洗米の上手な炊き方
新しい炊飯器を購入すると、計量カップが2種類ついてきませんか?
普通に精米されたお米と、無洗米とでは水加減を変えて炊きたいので、一般的な1合が計量できるカップと、1合より少なめに計量出来るカップの2種類が付属品になっているのです。
わかりやすいように、透明カップと色つきカップにしているメーカーもありますね。
炊飯器の内釜には、水加減のラインが入っていますが、無洗米を普通米用のカップで計量した場合には、少し多めの水加減にする必要があるのです。
ポイント1:計量と水加減
① 無洗米用の計量カップを使う時
箸などでしっかりすり切りにして無洗米をはかり、内釜の水加減ラインぴったりに水の量を合わせて入れる。
② 無洗米用の計量カップが無い時
箸などでしっかりすり切りにして無洗米をはかり、内釜の水加減ラインぴったりに合わせた水の量にし、1合あたり大さじ2杯程度の水を追加します。
3合だと90ccの追加になりますから、小さめのお玉2杯くらいになりますね。
ポイント2:吸水時間を取るとおいしく炊ける
夏場で30分、冬場で1時間程度の吸水時間をおくと、よりおいしく炊けます。
炊飯器によっては、吸水しなくてもある程度の炊きあがりになる機種もありますが、一般的には、吸水してから加熱した方が芯までふっくらとしたご飯になります。
無洗米はなぜ洗わなくても炊けるのか?
普段食べている白いご飯は、お米を磨いてぬかを取り除いた白米を使っています。
ところが、お米をこすり合わせてぬかの層を取り除く方法では、白米に肌ぬかと呼ばれる粘着性の高いぬかが残った状態になっています。
そこで、お水で洗い流して肌ぬかを取り除いてご飯を炊くことが当たり前となっているのです。
鉄板この肌ぬかは、高速で金属にぶつかることではがれ、水を加えなくても取り除くことができ
る性質を持っています。
無洗米生成の主流となっているBG精米製法では、一般的な精米を終えた白米を、BG精米製法の精米機にかけることで、肌ぬかが残らないように加工しています。
関東の無洗米工場では無洗米加工によって出る肌ぬかが、1週間に7トンを越えると言います。
もし、普通に精米されてお米をといでいたら、これだけの肌ぬかが河川に流れ込んでいたかもしれないのですね。
BG精米製法は、水も他のでんぷんも加えていないというところが素晴らしいですね。
そう考えると、『無洗米はとがなく良い楽なお米』とういうだけでなく、『河川にぬかを流さない環境に優しいお米』という見方も出来ますね。
無洗米で水道代は変わるのか?
無洗米を家庭で使うようにした場合のメリットについて考えてみました。
1㎏の米を洗米するのにおよそ20倍の水が必要だとも言われています。
水道代は、年間で数千円以上の違いが出てくると思われます。
また、無洗米では下水道に流す分もありませんから、確実に水道代は変わってきます。
ただ、家計の節約という視点から見た場合には、お米のキロあたりの単価が、無洗米の方が高くなってしまいますから、あまり変わらないかやや割高になる場合が多いでしょう。
月に20㎏食べている場合で、10㎏あたり3000円の普通米と、10㎏あたり3200円の無洗米で比較してみると、年間300円ほど無洗米が安くなりそうです。
お米の価格の差がもっと広がるケースもあるので、むしろ割高になる事もあるでしょう。
家庭菜園などで米のとぎ汁を活用している方、洗米が苦にならない場合は従来通りのお米で問題ないかと思いますが、お米をとがなくても良いというのは、水不足の時や、仕事が忙しい、子どもが小さく手がかかるといったときには、本当に助かります。
どちらが優れているというよりも、支出のバランスと、使い勝手によって場面に応じて使い分けるのが良さそうですね。
まとめ
無洗米を炊くときには
○専用カップで計量して、内釜のライン通りの水加減にする
○普通のカップで計量する場合には30cc増しで水加減する
○余裕があれば吸水時間を取って炊飯する
○無洗米は場面に応じて賢く利用する
寒い季節の洗米は大変ですよね。
「シャッと量って、ジャーっと水を入れてすぐ炊ける」というのは、とっても魅力的です。
お米代がちょっと割高なのがネックですが、ブレンド米であればちょっと良いお米と変わりません。
水不足の時、災害時には無洗米のメリットが発揮されるでしょうし、備蓄用には無洗米を用意したいですね。
「普段、あまり無洗米を使わない」という場合には、無洗米を炊くときには、水加減がやや多めにすると言うことを覚えておくと良いですね。