寝坊を繰り返すのは「気持ちが弱いから?」「疲れがたまっているから?」
生活習慣を見直してもなかなか改善されない寝坊癖には、病気が隠れている事があります。
病気の場合、専門家の適切な治療を受けた方が、社会生活への適応も早く出来るようになります。
寝坊を繰り返す睡眠相後退症候群(DSPS)や仮面うつについてまとめていきましょう。
・病的な寝坊ってどれくらいのレベルを指す?
・DSPSの特徴と治療
・仮面うつの特徴と治療
・まとめ
病的な寝坊ってどれくらいのレベルを指す?
・どんなに努力しても起きられない
・10時間以上の睡眠を取っても疲労感がある
・学校や仕事に支障がでて自信を失っている
・起こされるときにもうろうとしているばかりか暴れることがある
思い当たるほどの寝坊で、起きられない経験をしているなら、睡眠障害を伴う病気の疑いがあります。
朝起きられない病気の可能性としては、睡眠相後退症候群(DSPS)、仮面うつ、慢性疲労症候群、規律性調節障害などがあります。
生活習慣を厳しく指導したり、無理矢理早起きをして生活リズムを整えようとしても上手くいかない病気ですから、専門家の指導のものと治療の必要があります。
睡眠不足の慢性化によって、身体機能が限界に達した結果引き起こされる事もあり、本人が「自分は怠けものだ」、「自分はダメな人間だ」と自信をなくしているケースもあります。
この場合、無理に社会生活のリズムに合わせようとして悪化する事があるので注意が必要です。
睡眠相後退症候群(DSPS)の特徴と治療
・夜2時くらいまで眠れず朝起きることが出来ない
・10時間くらい続けて寝てしまう
・無理に単発で早起きをしても治らない
・夕方から夜にかけて活動的
睡眠相後退症候群(DSPS)は、体内時計そのものが狂ってしまい、良質な睡眠を得るためのホルモン分泌のタイミングまでずれています。
体質的や遺伝的な特徴、睡眠不足が続き限界点を超えたことにより、体内時計のリズムそのものが正常に働かなくなるといった条件が重なって発症します。
単なる時差ボケよりも深刻な状況と言えます。
専門医の指導のもと、2週間以上眠れるときに眠り、起きられるときに起きる生活を観察してデータをとり、1週間に1時間ずつ時間をずらす、薬の処方など適切な治療を受けるといった治療を受ける事で改善します。
無理な早起きでは矯正が出来ない病気ですから、専門医に診断を受けて適切な治療を受けるのが改善の近道です。
仮面うつの特徴と治療
落ち込みなどの精神症状が表向きには目立たないのに、頭痛・腹痛・疲労感など身体症状に現れるものを、仮面うつと呼んでいます。
・精神的なエネルギーが低下している
・倦怠感や、頭痛、腹痛などが慢性的にある
・不眠、朝起きられない
休息、カウンセリング、抗不安薬、睡眠薬の投薬が治療の柱となります。
頭痛や腹痛など身体的な症状を薬で緩和しながら、十分な休息を取ることで仮面うつの症状は改善し、朝もスッキリ起床できるようになります。
まとめ
○寝坊をあまりにも繰り返すときには、病気の可能性はないかチェックする
・どんなに努力しても起きられない
・10時間以上の睡眠を取っても疲労感がある
・学校や仕事に支障がでて自信を失っている
・起こされるときにもうろうとしているばかりか暴れることがある
この項目に当てはまるものがあるようなら、睡眠外来や、心療内科で診断を受けて、適切な治療を受けた方が良いでしょう。
登校拒否、仕事に行けないといった人の中には、「朝どうしても起きられない」という悩みを持っている人がほとんどです。
休息を取ってリフレッシュする事で回復するレベルなら、思い切って休息を取る。
それで改善しない場合には、病気を疑って治療の方法を探りましょう。
『怠け者』や『生活習慣が身についていない』と悩んだり、責めたりせずに、改善の方法を探ってみましょう。