マムシ酒というと、滋養強壮にすぐれているといいますが、本当に効果はあるのでしょうか?
実は、漢方薬にもマムシは利用されていて、明治から昭和にかけて民間療法にも使われていました。
現在のようにドリンク剤などが一般的ではなかった頃には、珍重されていた事がわかります。
マムシ酒についての疑問を明らかにしてみましょう。
マムシ酒の何が体に良いのか?
マムシ酒を作るときには、一升瓶に七分目の水をいれて生きたままのマムシをいれ、『糞だし』という作業を行います。
2週間から1ヶ月して、水が汚れなくなったら焼酎に漬け込みます。
こうして作られたマムシ酒には、アミノ酸を豊富に含み、強壮強精、新陳代謝を高めます。
血行促進、滋養強壮、ホルモンの働きをよくするといった効果が期待でき、民間療法では、擦り傷などの外傷にも使われていました。
焼酎に漬け込むことで、マムシの成分が溶け出して体の働きを後押ししてくれる効果があるとして、親しまれていました。
漢方薬としてのマムシ
マムシ酒の効果に科学的な根拠がないという声も聞かれますが、マムシの内臓を取って乾燥させたものは、『反鼻(ハンビ)』という漢方薬になっています。
漢方薬の一種として、強壮、解毒作用があるとされてきましたし、実際に、強心作用、血球数を増加させる作用がある事がわかっています。
ラットを使った実験でも、マムシエキスを与えたラットの方がロープをよじ登る時間が短縮されて瞬発力や、体力を増強させる効果が証明されました。
漢方薬として、病中病後の滋養強壮、男性機能の向上、冷え性の改善などに利用されてきたマムシの効果は、本当だったのですね。
滋養強壮のドリンク剤の成分表示を見ると、『ハンビチンキ』という名称が書かれている事がありますが、コレは、マムシのエキスが入っていると言うことです。
有名なドリンク剤にも、マムシエキスが入っているということですね。
まとめ
○マムシ酒は昔から民間療法に利用されてきており、滋養強壮に効果がある
○マムシの粉末は『反鼻(ハンビ)』という漢方薬の原料である
○マムシの粉末・エキスには、血球数を増加させる効果がある
マムシ酒は、マムシの生命力の強さにあやかって飲み始めたのだとする説もありますが、これだけドリンク剤にも使われ、漢方薬の材料にもなっているというところを見ると、効果があるといって良いでしょう。