毎年お歳暮やお中元の時期になると、贈るものを迷われる方も多いと思います。
そもそもお歳暮やお中元はどのようにして習慣づいたのでしょうか。
その起源や時期について調べてみました。
お歳暮の起源と時期
お歳暮の起源は、嫁いだ女性がお正月にご先祖様にお供え物をするために、実家や本家に品物を持ち寄っていたことだと言われています。
日本にはお正月になると歳神様を迎えるという考えがあり、この歳神様を歓迎する意味も込めてお供え物をしていました。
先祖を敬い、家族の幸せを願って歳神様を大切にしていた日本の信仰心の深さを示すものですが、それに加えて、江戸時代から盛んになった商業文化の影響も受けています。
江戸時代、商家ではお盆と年末にまとめて支払いをすることが一般的だったため、仕入先などに日ごろ世話になっているお礼と、今後も引き続きよろしくお願いします、という意味を込めて品物を贈るのが習わしでした。
現在のような「お歳暮」の習慣は、この二つが起源となったと考えられます。
お歳暮を贈る時期については、12月10日頃から20日頃までに贈るようにします。
ただし、最近は流通の分散化をねらって、送り始める時期が早くなる傾向があり、12月に入ったらお歳暮を贈り始める人もいます。
お中元の起源と時期
「お中元」という言葉は、中国の道教の年中行事である、上元、下元と合わせた三元の中の一つ、「中元」が起源で、もともとは罪を償う贖罪の行事が行われていました。
その後、中国仏教において、この日に先祖の霊を供養する盂蘭盆会(うらぼんえ)が催されるようになり、中元と盂蘭盆会が合わさった形で日本に伝わりました。
日本では、ご先祖様の供養を行う行事としてお盆が定着しましたが、お供え物の食べ物を贈るだけでなく、しだいにお世話になった人に品物を贈るようになり、やがてその品物そのものをお中元と呼ぶようになりました。
お中元の期間は東日本では7月初旬から中旬まで、西日本では7月中旬から8月15日頃まで、が一般的です。
まとめ
お歳暮とお中元は、どちらも日本の伝統的なしきたりと言えますが、お歳暮は歳神様の信仰に基づくものに、江戸時代の商人の年末の挨拶が重なり、今のような形になりました。
お中元は中国の道教の年中行事が起源となり、そこから日本独自の変化を遂げて今の形になりました。
どちらもご先祖様や神様を大切にし、周囲の人に感謝する日本人らしい風習と言えます。
時期などについては一般的なものをご紹介しましたので参考にしてください。