活気あふれるアジアを代表する街バンコク。
旅行先としてもタイは人気がありますし、国王の下にまとまるお国柄は、日本とも友好的なイメージがありますね。
そんな、タイの首都バンコクの正式名がかなり長くてすごいことになっているのです。
・長すぎるバンコクの正式名とは?
・首都を指す二つの名称のいわれとは?
・長すぎる驚きの地名は他にもある?
・まとめ
長すぎるバンコクの正式名とは?
「天人の都 雄大なる都城 帝釈天の不懐の宝玉 帝釈天の戦争なき平和な 偉大にして最高の土地 九種の宝玉の如き心楽しき都 数々の大王宮に富み 神が権化して住みたもう 帝釈天が建築神ヴィシュヌカルマをして造り終えられし都」
ああ、都をたたえる詩ね…そう感じた方は鋭いです。
でも、そのままこれが街の名前になってしまうなんて驚きじゃないですか?
そのまさかなのです。
この詩の原文であり、バンコクの儀式的正式名称はこちらです。
「クルンテープ・マハナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラアユッタヤー・マハーディロッカポップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタットティヤウィサヌカムプラシット」
ここまで名前が長いと、覚えるのも一苦労なので、覚えるための歌があるほどです。
あまりにも長いので、日常的には『クルンテープ』(天使の都の意味)までを使っています。
首都を指す二つの名称のいわれとは?
タイ王国の首都を、外国人は『バンコク』と呼んでいますが、これは、アユタヤ王朝時代に駐留していたポルトガルの傭兵が、現地の人の言葉から、『バンコク』という地名を伝えたからだという説があります。
『バーンマコーク』がなまって、『バンコク』という呼び名だと諸外国に伝わったといわれているのです。
『バーンマコーク』は、アブラタマゴノキの生える水辺の村という意味があります。
さて、正式名の方ですが、これは、ラーマ1世が1782年の遷都のときに命名したものです。
ラーマ1世が、新しい国への思いを込めて、美しい韻を踏んだ詩を作ったのが、そのまま正式名になりました。
『平和で美しく、国民が幸せに暮らす、神様に守られた国』という願いが込められた詩ですから、便宜上、はじめの一節をとって『クルンテープ』と呼んでいますが、儀式的な場面などで正式名称を使う時には…
「クルンテープ・マハナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラアユッタヤー・マハーディロッカポップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタットティヤウィサヌカムプラシット」
となるわけです。
長すぎる驚きの地名は他にもある?
『タウマタファカタンギハンガコアウアウオタマテアトゥリプカカピキマウンガホロヌクポカイフェヌアキタナタフ』
ニュージーランドの丘の名前で、ギネスブックにも世界一長い綴りの地名として認定されています。
『ランヴァイル・プルグウィンギル・ゴゲリフウィルンドロブル・ランティシリオゴゴゴホ』
イギリスのウェールズ地方の駅名で、19世紀末、観光客誘致の目的で命名された、世界一長い駅名です。
ちなみに日本では、『みなみあそみずのうまれるさとはくすいこうげん』(南阿蘇水の生まれる里白水高原)というのが一番長い駅名になります。
長い名前には、深い思いが込められているのはわかりますが、日常的には省略されてしまう場合が多いですね。
まとめ
タイの首都『バンコク』の正式名は、
「クルンテープ・マハナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラアユッタヤー・マハーディロッカポップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタットティヤウィサヌカムプラシット」
とても長いけれど、ラーマ1世と国民の深い愛国心を表す詩がそのまま正式名になっています。
こんなにも長い名前がついていると知ったときには、びっくりしてしまいますが、美しい韻を踏んだ詩になっているので、適当に短くするわけにもいかないし、新しい国の素晴らしい未来を願ってのことだと言うことがわかりました。
日常的には、現地の皆さんは『クルンテープ』と呼んでいますし、標識や看板などの表示も『クルンテープ』です。
外国では『バンコク』と呼ばれていますが、『クルンテープ』と呼ぶ時には正式名にうたわれている国への愛情や、みんなの幸せと平和、そして神様への感謝などが込められているのでしょう。
日本も、『ジャパン』と呼ばれていますが、これも中国で『ジッポン』と呼んでいたのが広がったからだと言われています。
呼び名と正式名称が違う場合には、西洋諸国に伝わった名称が国内で使われている呼び方と違うという事のようです。
『クルンテープ』と呼ぶ事で、タイの皆さんへの敬意が伝わりそうですね。