日本の四季には色々な食物とのかかわりが多くあります。
お彼岸のおはぎとぼたもちもその一つ。
おはぎとぼたもちにはどんな違いがあって、季節は関係あるのか。
その名前の由来と違いを探ってみました。
おはぎとぼたもちの違いに季節は関係あるの?
おはぎとぼたもちの違いには、季節が深くかかわっています。
近年では季節を問わず、おはぎとぼたもちが店頭に並んでいても不思議ではありません。
おはぎとぼたもちが一般的に知られるようになったのは、鎌倉時代とされています。
当時から仏様への供物として捧げられていました。
小豆の赤い色が魔除けになるといわれ、先祖供養のお供え物として重宝されるようになったのです。
春のお彼岸は春分の日を中心として、前後3日を合わせた7日間のことを言います。
春のお彼岸で供えられるのが「ぼたもち」
ぼたもちは春の彼岸の頃に咲く牡丹の花のように、大ぶりでこしあんで包んであります。
秋のお彼岸は、秋分の日を中心に前後3日を合わせた7日間を指します。
秋のお彼岸で供えられるものが「おはぎ」です。
おはぎは秋に咲く萩の花に似せて作られています。
ぼたもちよりも少し小さめで、粒あんで包まれています。
おはぎとぼたもちの違いはその形と、お供えされる季節の違いと言えます。
*おはぎとぼたもち、季節ならではの違いとは
ではなぜ、おはぎは粒あんで、ぼたもちはこしあんなのでしょう。
それは小豆の採れる季節に関係があります。
小豆の種まき時期は春。
4月から6月に種をまき、9月から11月に収穫されます。
新しい小豆が収穫される季節は秋の入り口。
秋の彼岸に新たに収穫された小豆を皮ごと柔らかく茹で、粒を残したまま使うのがおはぎになります。
年を越す前に収穫された小豆は、春のお彼岸の頃には皮が固くなります。
そこで茹でた小豆の皮を取り除いて、きめ細かく漉したもので包んだものがぼたもちになるわけです。
場所によっては、こしあんと粒あんの使いが逆のところもあります。
春と秋だけではなく、夏と冬にもおはぎとぼたもちの呼び名があります。
夏の新月の頃は暗く、船が港についたことも分からなかったことから「着き知らず」といわれます。
隣人がいつ餅を搗いたかがわからない「搗き知らず」とかけて、夏は「夜舟(よふね)」と言います。
冬の北窓からは月が見えないことを「月知らず」と読み、「搗き知らず」とかけて冬は「北窓(きたまど)」と言います。
まとめ
春と秋の彼岸に咲く花に似せて名前と形が作られ、包む餡にも季節での違いがあります。
地域によっては呼び名が違っていたり、使われる餡がきな粉であったりと作り方も違うようです。
おはぎとぼたもちには、季節ならではの違いがありました。
お彼岸におはぎとぼたもち、お供えするだけではなく名前の由来も思い出してください。