本格的な稲作農耕文化が定着したのは弥生時代です。ではそれ以前の縄文時代、人々は何を食べていたのでしょうか。
様々な遺跡の発掘調査から、縄文人の食生活が明らかになってきています。
主食はクリやドングリなどの木の実
縄文時代というと狩猟生活というイメージが強いですが、主食は栗やドングリ、クルミ、トチの実などの木の実類でした。
木の実は採るのが簡単ですし保存も利きますから、安定して入手できる貴重な食料だったのです。
そのままでは灰汁が強くて食べられないものもありますから、煮て灰汁を抜いたり、あるいは石皿とすり石で粉状にして、それを練ってクッキーのように加工して食べることもありました。
実際に化石化したクッキー状のものが遺跡から発掘されています。
魚介類たっぷりの縄文鍋
魚介類も貴重な食料でした。アジ、サバ、タイなど今でも一般に食べられる魚が当時から食べられていました。
マグロなどの大型魚やクジラの骨も遺跡から見つかっています。
貝類は誰にでも簡単に採れるため、貴重なタンパク源となりました。
沿岸部の縄文遺跡には貝塚が形成されていますが、これは貝の加工場の跡だと言われています。
貝殻の量が一つの集落で食べるにしては多すぎる事から、重い貝殻は海の近くで廃棄し、中身だけを内陸に交易品として運んだと考えられています。
肉はシカとイノシシが中心
食料として解体された痕跡がある動物の骨はシカとイノシシが数多く発掘されています。その他キジやツキノワグマの骨も出土しています。
縄文時代は縄文土器の発達のおかげで、人々の食糧事情が大幅に向上した時代でもありました。
縄文人達は我々が思っていた以上にグルメだったのかもしれませんね。