熱い試合がくりひろげられる格闘技は、みているとドキドキしますね。
白熱した試合では、よく顔が切れて流血が起きてしまいます。
白いクリームのようなワセリンを塗るのをよく見ますが、止血の効果があるのでしょうか?
そんな、ボクシングとワセリンのナルホドな関係、ワセリンを塗る理由をご紹介しましょう。
ワセリンを使った止血方法
ワセリンは、肌に対して刺激の少ない油脂です。
傷に塗っても安心ですが、ワセリンそのものに傷を治したり、出血を止める薬効があるわけではありません。
格闘技で、まぶたや額などをカットすると、目に血と汗が流れ込んで視界が悪くなります。
容赦なく打ち込んでくる相手の攻撃をかわすことが出来ないところに、一撃を受けたら大変なダメージを受けてしまいます。
そこで、“血管収縮剤のついた綿棒で圧迫止血して、ワセリンで蓋をする”という手当てを受けて戦い続けます。
コレが、一つ目のワセリンを塗る理由です。
パンチがあたってまぶたが腫れ上がったロッキーがまぶたを切って、治療してもらうシーンを思い出します。
ボクシングや格闘家がワセリンを塗る理由は?
ボクシングのグローブは、革製で強く皮膚をこするとクリーンヒットしなくても顔が切れてしまう事があります。
打撲の衝撃だけでなく、摩擦によるダメージが大きく、ワセリンなしでグローブの縫い目があたるとカットしてしまう事が多いのです。
殴られれば、もちろんかなりの痛みを感じますが、カットしてしまうと傷口の痛みのうえ、出血によるダメージでボーッととしてしきます。
ワセリンを塗っていると、顔面をグローブでこすっても滑るので、皮膚が摩擦で切れることを防げます。
グローブが滑ってくれれば、クリーンヒットも減りますし、ダメージを軽くすることにも役立ちます。
コレが二つ目のワセリンを塗る理由です。
ルール上、試合前からテカテカに塗るのはNGですが、傷の治療のためには認められているので、ラウンドを終えてコーナーに帰ってきたボクサーには、治療ということで、セコンドがしっかりワセリンを塗るのです。
この役割は、カットマンとよばれ、カットマンの技術が試合を左右することがあるのです。
まとめ
○ ボクシングや格闘技で選手に塗っているクリームはワセリン
○ カットした傷口の止血手当ては、血管収縮剤とワセリンで行う
○ ワセリンはケガ防止、ダメージ軽減に役立っている
ボクシングでまぶたをカットしたときのワセリンの塗り方がこってりしているのには、ワセリンを塗る理由が、傷の手当てだけだけでなく、ダメージ軽減にもあったのですね。
オリンピックやタイトル防衛での、日本人選手の活躍をみながら、ワセリンを担当するカットマンにも注目して見ましょう。