火傷跡に強いかゆみが起きることがあり、皮膚科では、熱傷後瘢痕部掻痒感(ねっしょうご はんこんぶ そうようかん)と呼ばれています。
中には、かゆみで目が覚めてしまうとか、皮膚をかき壊してしまうほどかきむしってしまう場合があります。
火傷跡の強いかゆみはなぜ起きるのか、かゆみを防ぐ方法や対処方法はあるのかまとめていきましょう。
火傷跡のかゆみが起きる原因
火傷は皮膚に熱を受けたあと、すぐに良く冷やすことが大切です。
熱によって肌の真皮層にダメージを受けると、肌が完全に元のように回復する事が難しくなってしまいます。
冷やし方が足りずに肌に熱がこもっていると、深い部分にダメージが進行して、皮膚の表面が再生されている様に見えても、その下に肉芽組織が作られてしまうことがあります。
すると、肉芽組織が皮膚を再生しようと活発になると引きつれたり強い痒みを起こしてしまうのです。
表面の皮膚は1ヶ月程度で治ったように見えても、1年から2年の間、ひどいかゆみに悩まされるというケースがあるほど、しつこく続くのが特徴です。
火傷跡のかゆみを早く治すには?
かゆみを治すためには、外用薬が使われます。
清潔にして、ステロイド系塗り薬を塗るのが一般的ですが、即効性が期待出来るほどの効果がないのが現状です。
気にするほどかゆみを強く感じる事から、精神的なケアをあわせて行うべきだと言う声もあります。
民間療法的に、ヨモギローションが良い、熊の油、バーユを使ったケアが治りを早くするという説があります。
熊の油、バーユは低温でクリーム状ですが、手に取ると液状になり、人の肌にスーッとなじむ特性があるので、肌を保護して傷の治りを早くするとして昔から傷薬として使われてきました。
火傷跡のこわばりや、皮膚が堅くなるのを防ぐのに役立つので、傷の手入れに向いています。
まとめ
○ 火傷をしたらすぐに十分冷やし、傷を深くしないことが大切
○ 皮膚の深い部分を傷めて、肉芽組織が出来てしまうとかゆみが残りやすい
○ 皮膚の正常な再生を助けるには、ステロイド系軟膏、熊の油などで手入れする
表面の火傷跡が治っているように見えても、肉芽組織が出来て肌の質が均一に再生されないと、強いかゆみが出ることがあるのです。
皮膚を乾燥や刺激から守る事で症状をなだめることが出来るので、処方されたステロイド系の軟膏を使いながら、熊の油、バーユなどで手入れするのが良いでしょう。
しつこくかゆみが続くことが多いですが、かき壊してしまうと皮膚トラブルを繰り返して跡になってしまうので注意が必要です。